受験生のための「睡眠と集中力」の管理法

受験勉強の追い込み時期になると、多くの中学生が「もう少しだけ勉強したい」「時間が足りない」と感じます。
しかし、夜遅くまで机に向かう生活を続けるうちに、朝起きるのがつらくなったり、授業中に眠くなったりする人も多いのではないでしょうか。
実は、その「眠気」や「集中力の低下」こそが、勉強の効率を下げる最大の敵です。
受験勉強とは、「どれだけ長くやるか」ではなく「どれだけ集中して吸収できるか」で決まります。
つまり、睡眠と集中力の管理こそが合格への最短ルートなのです。
今回は、「なぜ睡眠が大切なのか」「どうすれば質の高い睡眠をとれるのか」「集中力を保つには何が必要か」を、3つのポイントで解説します。

① 睡眠が集中力を左右する理由

そもそも、睡眠と脳については皆さん理解しているでしょうか。理解することで意識できることもあります。まずはそれぞれの機能を深く理解してみましょう!

● 脳は「起きている間」に情報を集め、「寝ている間」に整理する

人間の脳は、日中に勉強したことをそのまま記憶に残すわけではありません。
新しい知識や情報は、睡眠中に脳内で整理・統合され、長期記憶として定着します。
例えば、英単語を覚えたり、歴史の年号を暗記したりしたあとにしっかり眠ることで、記憶が安定するのです。
逆に、睡眠を削って勉強した場合、翌日にはせっかく覚えた内容が曖昧になってしまいます。
これは脳が情報を「短期記憶」に留めたまま、整理する時間を奪われてしまうためです。
つまり、「眠らずに覚える」より「眠って定着させる」ほうが効率的なのです。

● 睡眠不足は集中力を奪う

睡眠不足が続くと、脳の前頭葉(集中力や判断力をつかさどる部分)の働きが鈍ります。
この状態では、いくら「がんばろう」と思っても、集中が続きません。
イライラしやすくなったり、ちょっとしたことで注意がそれたりするのも、この前頭葉の機能低下が原因です。
アメリカの研究によると、6時間睡眠を1週間続けた人の集中力は、徹夜した人とほぼ同じレベルまで落ちることが分かっています。
つまり、「少し寝不足を続ける」だけでも、勉強の質は大きく下がってしまうのです。

● 「長さ」よりも「質」が大事

ただし、単純に「長く寝ればいい」というわけではありません。
睡眠には「レム睡眠(浅い眠り)」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」があり、このサイクルがうまく回ることで脳がしっかり休まります。
夜更かしして不規則に寝たり、途中で何度も起きたりすると、このリズムが崩れ、結果的に睡眠の“質”が下がってしまうのです。 そのため、受験期に大切なのは「睡眠時間を確保すること」だけでなく、質の高い睡眠リズムを整えることです。


② 受験勉強中でも質の高い睡眠をとるコツ

先程、重要なのは「質の高い睡眠リズムを整えること」とお話しました。ではその質の高い睡眠、というのはどういうものでしょうか。
気をつけるべきところなどをまとめていきましょう!

● 寝る前のスマホ・カフェイン・明るさをコントロール

スマホやタブレットの画面から出る「ブルーライト」は、脳を昼間のように錯覚させてしまい、眠りを妨げます。
寝る1時間前には、スマホを見ないようにするのが理想です。
どうしても使う場合は、画面の明るさを下げるか、ナイトモードに設定しましょう。
また、夜にコーヒーや紅茶、エナジードリンクなどのカフェインをとるのも避けましょう。
カフェインは摂取後3〜4時間は脳を覚醒させる働きがあり、寝つきが悪くなる原因になります。
夜9時以降は、カフェインを含まない飲み物(白湯や麦茶など)に変えるとよいでしょう。
部屋の明るさも大切です。明るい照明のままだと、脳が「まだ昼間だ」と判断してしまいます。
眠る30分前には部屋を少し暗くし、脳を「夜モード」に切り替える習慣をつけましょう。

● 勉強後に「クールダウン時間」を作る

勉強直後は、脳がまだ興奮状態にあります。

そのまま布団に入っても、「あの問題どうだったかな」「明日は何をやろう」と頭が回ってしまい、なかなか寝つけません。
そこでおすすめなのが、「クールダウン時間」を設けることです。
寝る15〜30分前に、ストレッチや深呼吸、読書などでリラックスする時間を取りましょう。
勉強と睡眠の間に“区切り”をつくることで、脳が自然と休息モードに切り替わります。

● 短時間でも回復できる昼寝の活用

受験期は、どうしても疲れがたまりがちです。
そんなときは、昼食後に15〜20分の昼寝を取り入れましょう。
この短い仮眠だけでも、脳の疲れをリセットし、午後の集中力を高める効果があります。
ただし、30分以上寝てしまうと深い眠りに入ってしまい、起きたときに頭がぼんやりします。 短時間で切り上げること、そして夕方以降に昼寝をしないことが大切です。


③ 集中力を長く保つための習慣づくり

では、睡眠以外のところではどのようにすべきでしょうか。勉強を続けるには集中力が鍵です。
集中力を長く保ち続けるにはどうすればいいでしょうか。以下のことを意識してみましょう。

● 「集中と休憩」をリズム化する

集中力はずっと続くものではありません。

人の脳が高い集中を保てるのはおよそ50分が限界だといわれています。
長時間ダラダラ勉強するよりも、「25分集中+5分休憩」など、リズムを決めて勉強する方が効率的です。
この方法は「ポモドーロ・テクニック」と呼ばれ、世界中の受験生やビジネスパーソンが実践しています。
5分休憩ではスマホを見るよりも、立ち上がって軽く伸びをしたり、水を飲んだりするのが効果的です。
体を動かすことで血流が良くなり、再び集中力が戻りやすくなります。

● 脳をリセットする「休憩の取り方」

休憩中にSNSや動画を見てしまうと、脳は実は「休まっていません」。
映像や情報を処理している間、脳は常に働き続けているからです。
したがって、脳を本当に休めたいなら、目と耳を静かにすることがポイントです。
休憩時間に目を閉じて深呼吸をする、窓の外を眺める、短い散歩をするなど、「情報を入れない時間」を意識して作りましょう。
このように“脳のリセット時間”をとることで、集中の再開がスムーズになります。

● 生活リズムの安定が集中力を支える

毎日寝る時間と起きる時間がバラバラだと、体内時計が乱れ、睡眠の質が低下します。

結果的に、朝から頭がぼんやりしたり、勉強時間に集中できなくなったりします。
逆に、一定のリズムで生活すると、脳と体が「この時間は集中する時間だ」と自然に覚えるようになります。
特に受験期は、「平日と休日の起床時間の差を2時間以内にする」ことを意識しましょう。
休日だからといって昼まで寝てしまうと、夜眠れなくなり、翌日の集中力にも悪影響が出ます。 小さな習慣の積み重ねが、集中力を支える“基礎体力”になるのです。


まとめ:努力は「起きている時間」より「頭が働く時間」で決まる

受験勉強で成果を出す人は、実は「長く勉強している人」ではありません。
彼らは、「集中できる環境」と「整った睡眠リズム」を作り、脳が最も働く時間に最大限の力を出している人です。
睡眠は怠けではなく、勉強の一部です。
質の高い睡眠をとることで、脳の記憶力が高まり、集中力が安定し、ストレスにも強くなります。
つまり、「よく眠ること」は「よく覚えること」につながるのです。
受験期こそ、時間を削るのではなく、「頭のコンディションを整える」ことに意識を向けましょう。
“眠りを味方にできる受験生”が、最後に一番伸びる受験生です。


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