自律神経を整えて本番に備える―受験生の保護者ができる“食と睡眠”の声かけ

12月に入り、受験が意識される時期になりました。
もちろん主役は受験生ですが、保護者の皆様も、お子様の受験を応援しているかと思います。
今回の記事では、保護者の皆様ができるお手伝いの一つとして、「食と睡眠」についてを中心にお話をしていきます。

この記事でわかること

  • 受験期に睡眠・生活リズムが特に重要な理由
  • 受験生に望ましい睡眠時間・睡眠の質と、家庭でできるサポート方法
  • 自律神経を整えるための食事・飲み物の選び方 ― 忙しい受験期でも気をつけたいこと
  • 夜遅くまで勉強する子どもへの適切な飲み物・食事、避けたいもの
  • 保護者としての声かけや環境づくり ― 子どもの心身を守り、受験本番に備えるために


なぜ睡眠・生活習慣が受験期に大切か

受験生にとって、「勉強時間を増やす」「過去問を解く」「模試対策を繰り返す」など、学習内容への集中はもちろん重要です。しかし、それだけに注力して「体と心の土台」である睡眠や食事、規則正しい生活習慣をおろそかにすると、せっかくの努力が十分に生かせないことがあります。
とりわけ受験期は、脳への負荷が大きくなり、覚える内容や思考量が増え、身体や神経、心にストレスがかかりやすいものです。このようなときこそ、適切な睡眠と栄養、安定した生活リズムが、「自律神経」(※体と心のバランスを整える仕組み)を安定させ、集中力・記憶力・体調管理――あらゆる面でのベースになります。こうした“土台づくり”は、合格力を高めるための「見えない準備」です。


睡眠─受験生にとっての質と目安時間、家庭でできるサポート

理想の睡眠時間とその意味

中学生・高校生など成長期の若者に対しては、1日あたり 8~10時間の睡眠 をとることが推奨されています。これは、成長ホルモンの分泌、脳の整理・記憶の定着、体と心の回復を考えたうえでの目安です。多くの睡眠に関する研究や指針がこの時間帯を示しています。

たとえ「勉強時間を確保したい」と思っても、睡眠時間を極端に削ってしまうと、翌日の集中力や思考力、記憶力に悪影響が現れやすくなります。特に受験直前期は、短時間睡眠の積み重ねが“知らぬうちの負債”となる可能性が高いため、睡眠の確保は“受験対策”の一環として捉えるべきです。

保護者としてできるサポート―睡眠の質とリズムを守る

保護者として、以下のようなサポートが効果的です:

毎日、なるべく同じ時間に就寝・起床するよう促す

休日であっても、極端に睡眠時間をずらさないことで、体内時計が安定し、自律神経の乱れを防ぎやすくなります。

寝る直前の刺激を避けるよう配慮する

スマートフォンやタブレット、テレビなどのブルーライト、カフェインの入った飲み物、夜遅めの食事などは、睡眠の質を下げる原因になりやすいです。寝る1~2時間前から「落ち着いた環境」に切り替えるよう促してあげましょう。

寝室の環境を整える

部屋を暗く、静かで、適切な温度・湿度に保つよう気を配る。特に受験直前の季節は、風邪予防など体調管理の観点からも重要です。

「翌朝の起床時間」を前日の夜に一緒に確認して声かけ

夜遅くまで勉強する日があっても、「この時間には寝よう」「明日は○時起きだからね」と声かけすることで、無理な夜更かしを減らしやすくなります。

こうした配慮は大きな手間ではありませんが、受験生にとっての「安心できるベース」となり、メンタルの安定や学習効率の向上につながります。


食事・飲み物─自律神経と集中力を支える栄養と水分

バランスの良い食事の重要性

受験期は、つい食事を簡単に済ませたり、食欲が落ちたりしがちですが、栄養バランスが乱れると、以下のような影響が出やすくなります:

  • 集中力・思考力の低下、記憶の不安定
  • 体力・抵抗力の低下(風邪や体調不良への弱さ)
  • ストレス・疲労がたまりやすくなる

そのため、以下のような食事の工夫が望ましいです:
主食(ご飯やパンなど)・たんぱく質(肉・魚・卵・豆製品など)・野菜・乳製品などをバランスよく
野菜や果物でビタミン・ミネラルを補う:ストレス軽減や免疫力の維持に有効
食事は適量で、特に夜は「腹八分目」を意識: 満腹すぎると眠りにくさや消化への負担が出ることがあります
おやつも、できれば体にやさしいものを — 例えばナッツやヨーグルト、果物など。糖分や脂質の多いものばかりにならないよう注意

こうした食事は、ただ体調を守るだけでなく、脳の働きを支える“土台”をつくってくれます。

夜遅くまで勉強する子どもへの飲み物と注意点

受験生のなかには、夜遅くまで勉強に取り組む子も多いと思います。そのとき、「眠気覚まし」「集中のために」という理由で、カフェイン入り飲料やエナジードリンクなどを選びたくなるかもしれません。しかし、これらには注意が必要です。

  • カフェインや過度の糖分は避けるべき
    一時的には覚醒作用があって集中できても、その後、眠りにくくなったり、自律神経が乱れたりする可能性があります。特に受験のようなストレスが重なる時期は、その影響が大きく出やすいと言えます。
  • 保護者としておすすめする飲み物
    ・白湯、ぬるま湯、水 — 体を冷やさず、水分補給として安心
    ・ノンカフェインの麦茶やハーブティー — リラックス効果があり、夜間の水分補給にも適している
    ・温かいミルクやミルク入りホットドリンク — カフェインを避けつつ、胃にも優しく、就寝前の1杯に向いています
  • 飲み物をあらかじめ用意し、声かけする
    たとえば、「夜遅くなりそうだから、お湯かお茶淹れようか」と声をかけてあげることで、自然に水分補給と落ち着きを促せます。

こうした配慮で、無理な覚醒ではなく、自然な形で集中をサポートでき、睡眠の妨げも防ぎやすくなります。


生活習慣と自律神経─保護者からの声かけと環境づくり

睡眠と食事だけでなく、日々の「生活リズム」や「心の安定」も、自律神経のバランスに大きく影響します。とりわけ受験期は、その負荷が大きくなるため、保護者のちょっとした声かけや配慮が、子どもの支えになります。

保護者としてできること・声かけの工夫

  • 就寝・起床時間を一緒に確認し、リズムを整える声かけ
    例:「今日は何時に寝る?」「明日は○時起きだから、そろそろ準備しようか」など、さりげない一言でOK。
  • 休憩やリラックスタイムの提案
    勉強ばかりで詰め込みがちな子には、「ちょっとお茶飲む?」「ストレッチや深呼吸しようか」「温かい飲み物でホッとひと息」など、体と神経をリセットする時間を促すとよいでしょう。
  • 子どもの頑張りを認め、「安心」「休息」を促す言葉
    例:「今日はよく頑張ったね」「遅くまで本当にがんばってるね」「無理しすぎず体も大事にしてね」など、励ましとともに休息や健康への配慮を伝える言葉は、心の安定につながります。
  • 食事や飲み物の準備とタイミングに配慮
    夜遅くなりそうな日は、軽めで消化の良い夕食、飲み物の準備、夜食の代替(例えばおにぎり・果物・ヨーグルトなど)――こうした準備を家庭で支えることで、子どもの体調管理がしやすくなります。

こうした“気遣い”は、小さな一歩ですが、受験生にとっては大きな安心と支えになります。


受験生を支える保護者の「声かけ例」シーン

以下に、よくある場面を想定した声かけの例を挙げます。実際のご家庭でも使いやすいよう、“さりげない言葉”を意識してみました:

シーン声かけ例
勉強が夜遅くなりそうなとき「今日は遅くなりそうだね。お茶(またはぬるま湯)、入れておくよ」
夜遅く、勉強を終えるとき「おつかれさま。明日の起きる時間、決めておこうか」
翌朝起きるのがつらそうなとき「ゆっくりでも大丈夫。無理しないでね。体調第一だよ」
睡眠が浅かった、眠れなかったとき「今日は少し早めに寝ようか。リラックスできる音楽か温かい飲み物でもどうかな?」
食事が不規則になりがちなとき「ご飯、少し軽めにして、栄養バランス整えよう。野菜たっぷりのスープにしようか」

こうした言葉は、子どもにとって「支え」「安心」「休息」の合図になります。大げさな言葉やプレッシャーではなく、自然で優しい声がけを意識することが大切です。


まとめ

たとえ受験勉強に集中している時期でも、「睡眠・食事・生活リズム」といった“体と心の土台”を整えることは、集中力、記憶力、体調、精神――すべての基盤を支える重要な要素です。
受験本番で子どもが最大限の力を発揮できるように、保護者としてできること――それは、大きな手間ではなく、ほんの少しの「声かけ」「気配り」「環境づくり」です。温かいお茶を用意したり、食事のバランスに気を配ったり、寝る時間を一緒に確認したり……。どれも小さな配慮ですが、受験生にとっては大きな支えになります。
子どもの心身を守り、「安心」「安定」「集中できる環境」を家庭でつくってあげることで、合格に向けた本当の土台ができるはずです。


参考文献・出典


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